internet-boyzの日記

4人で交換日記をしています。

相席屋乞食物語

注:この話には筆者がこれまで行ってきた犯罪行為のいくつかが書かれています。そういう類のものが不快な方はここで読むのをやめましょう。尚、当然そのような犯罪行為を助長しているわけではありませんし、今は行いを改めております(そこんとこ、ヨロシク!)

 

_______________________

僕が今住んでいる福岡県には、東は北九州市、西は福岡市と主に2つの地方都市がある。

中でも前者では小倉、後者では天神や中洲のあたりが栄えていて、いずれも昼間に買い物やカフェなどに行く客だけでなく、いわゆる"夜の街"(この表現はこのご時世あまり使いたくないけれども)としてもかなり有名である。

それゆえ、適当に歩いていても酒を飲む場所に困ることはなく、週末の夜はいつも活気に満ちている。

僕自身、時間と金に余裕があると(時間と金に余裕がなくとも)たまに街に出ては、朝まで酒を飲んで生活のバランスをとって(失って)いる。

 


僕は酒を飲み歩くことがとても好きだが、一方で、女性が出てくることがサービスの一環として介在するような店には行ったことがない。

それは、キャバクラや風俗なんて、対人恐怖症かつ女っ気のない僕からすると、金を払って初対面の女の人と話すなんてどんな罰ゲームだよと思うからである。

また、なんといっても自分にはそれだけの金がない。

それゆえ、これまでの人生においてそのような場所には一度たりとも行ったことがなく、今後も余程な付き合い以外、行くことは多分ないだろう。

 


しかしながら、僕は大昔に一度、相席屋なる場所には行ったことがある。

ここであまり相席屋について知らない人向けに説明しておくと、相席屋とは、来店した男女が店によってマッチングされ、相席をすることで出会う、という店である。

たとえば、男2人で行くと女2人、女3人で行くと男3人と1つのテーブルを大抵は囲むこととなり、飲食を共にしながら会話を楽しむのである。

料金は店によって様々だが、僕が行ったところは男性側は10分あたり500円程度で飲み放題のみ(料理を頼む場合追加料金が必要)、女性側は飲み食べ放題完全無料という、なんとも非対称なシステムであった。

 

 

その日、僕は男2人でいつものように天神をふらふらと飲み歩いていた。

すると、まだ酔いも回っていない頃、連れの後輩(というかほぼ友人)が、ちょっと変わった場所に行かないかと提案してきた。

そこで、いろいろと検討会を行ったところ、最終的に相席屋に行くことで纏まった。

その友人は結構遊び慣れているクチであり、相席屋にも当然のように行ったことがあるようであったが、僕はというと当然のように一度も行ったことがなかった。

そのため、まあ何事も人生経験かと、調子良く通りがかりの相席屋に入ることにした。

中に入ると、先に入店していた同い年か少し年下くらいの女の人2人が座っている席に通された。

そして、こういった場を経験したことが皆無であり何を話せば良いか全く分からない僕を助けるように、友人が得意の話術で場を即座に盛り上げ始めた。

というのも、友人曰く、「相席屋は10分以内に相手と仲良くなり、連絡先を交換して店を出てまた後日会うのがフツーですよ!」ということらしいのだ(?)。

その後数分が経ち、会話がそれなりに盛り上がりつつある中、友人が「お腹減ったくないですか?」と言い出した。

と、突然、友人は目の前の女性に承諾を得るや否や、女性が注文していたパスタを勢いよく頬張り始めたのである。

ここでもう一度確認しておくと、先ほども説明したように、通常、男性側は料理を頼む場合、別料金として料理単品の代金が必要である。

そして、僕自身もそれにつられ、気付いた時には目の前の女性の料理をかきこんでいた。

こんなシステムの抜け目を見抜き、更にそれを店内で堂々と行うとは、今考えると本当に良い度胸である。

その後、酒を数杯頼み、さらには女性側の料理をお構いなくがっつき、気付けば満腹であった。

 


一応言っておくと、これは多分に犯罪である。

当然、これを読んだ人の大半は、そりゃマズいだろ、と思ったことだろう。

だがしかし、そんなことは気にもせず、当時の僕は堂々と相席屋で乞食行為をやってしまったのである。

因みに、僕はもともと治安が荒れに荒れた九州の田舎の出身で、自分自身、腹が減ったら万引きすれば良い、くらいに思っていた少年時代すらあったような人間である(今はそんなワケないからネ!)。

また、そのような不法行為に対し、寧ろ世間はどうせ自分のことなど見向きもしないから、どうせ、というような暗澹たる厭世観に苛まれていたこともあった。

それゆえ、当然その辺の倫理観というか、法的感覚というか、そういう類のものが昔はごそっと抜け落ちてしまっていたのだ。

因みに店内には僕らのような貧乏遊びをしている客だけではなく、長居する目的で来ていた景気の良さそうなスーツ姿の集団もいたりして、そういう場合女性側のツマミを少しもらったりするくらいはありそうだし、実はどこまでが無銭飲食でどこまでがそうでないかの線引きは結構難しそうである(これは決して言い訳をしているワケではない)。

 

 

ということで、今回は、大昔に相席屋で無銭飲食をしてしまった話を書きました。

なんか多分本当に普通に犯罪なので、真似をするのはやめた方が良いと思います。

真似して怖い人に連れ去られても僕は知りません!

 

 

mtkn