internet-boyzの日記

4人で交換日記をしています。

双子

先日、完全に堕落しきった生活習慣のせいか、とうとう鼻の下にニキビができてしまった。

これは本当に厄介者で、このニキビが1つあるだけで、たちまち間抜け顔になってしまうのである。

普段僕は家に引きこもってばかりいるので、アルバイトを除けば特別誰かに会う訳ではないが、それでもやっぱり嫌なのでSNSなどで嘆いていると、何やら友人から連絡が来た。

話を聞くと、なんと同じく鼻の下にニキビができているという。

鼻の下にニギビができるのはよくある話だが、知人が、同じタイミングで、全く同じ位置にニキビができるというのはとても奇遇である。

そしてこれは俗に言う「お揃い」というやつで、まさしく一昔前に流行った「双子コーデ」である。

 


「双子コーデ」という言葉は、字面通り、2人が同じ服を身につけることを意味する。

同じような意味の言葉としては、「ペアルック」がある。

さっきも言ったように、「双子コーデ」はおそらく平成の時代に流行った言葉で、今使うと多分ちょっと古かったりする。

とはいえ、おそらく今の若い世代なら、多くの人が一度は耳にしたことのあるであろう言葉であり、幅広く用いられていた(いる)ことは確かである。

しかし、ここで一旦立ち止まって考えてみてほしい。

当たり前の話だが、双子にも、一卵性双生児と、二卵性双生児の両方が存在する。

つまり、所謂「双子コーデ」というやつは、厳密には「一卵性の双子コーデ」なのである。

おそらく、この「双子コーデ」という言葉を作った人は、「双子=そっくりなもの」という極めて短絡的な思考回路を有しており、人に対して大変に偏った見方をする、例えるならば性格の判断材料として血液型を聞いてくるような、非常に浅はかで思慮の浅い、困った人間であることは想像に難くない。

同様に浅はかな人間が作った言葉として、「無芸大食(大食いも立派な芸である)」「人面獣心(果たして人間は獣と比較して本当に情がなく残酷であると言えるだろうか?)」などが挙げられる。

このように、世の中には、言葉のなかに「ある前提」を内包しているものもしばしば存在している。

 


しかし、それならば、完全にお揃いではなくとも似ている程度のコーディネートのことを、「二卵性の双子コーデ」と呼ぶことができるのではないだろうか。

実際に、仲の良さげな若者2人が同系統の似たような格好で外出している様子は、街に出るとよく見かける光景である。

最近だと、インスタグラムに上げる写真の色や加工具合を同じ様に揃えるのも、これと似ていて地続きなように思える(この「調和感」のために双子コーデを採用するケースもあるのではないだろうか)。

と、このように考えてはまた独り言を呟いていると、今度は別の友人から「それはシミラールックなのでは?」と言われてしまった。

なるほど、確かにそれは聞いたことのある言葉である。

実際にインターネットで検索してみると、一番上に出てきたサイトにも、「ペアルックやお揃いコーデとは違って、色やトップスなどの一部分を一緒にしたり、雰囲気を合わせたコーデのこと」と書いてあった。

もしかすると、この「シミラールック」という言葉を作った人は、僕と同じように「双子コーデ」の浅はかさを感じ取っていた人なのかもしれない。

とにもかくにも、世の中にはいろんな言葉があるのである。

 

 

因みに僕は、「コーデ」という言葉を使うこと自体、何だか少し気恥ずかしい。

そのため、日常生活では文章を書く時などを含めてもまず全く使わない言い回しである。

これはもしかすると、「自分が若者言葉や流行り言葉に順応できていないおじさん」になりつつあることの兆しかもしれない。

そういえば今年で24になる。

こうして気付いた時には20代も終わっているのだろう。

 

 

mtkn